日経平均、5日ぶり反発 終値972円高の2万5690円

10日の東京株式市場で日経平均株価は5営業日ぶりに大幅に反発し、前日比972円87銭(3.94%)高の2万5690円40銭で終えた。上げ幅は2020年6月16日(1051円)以来の大きさだった。原油など主要な国際商品の上昇が一服し、急速な資源インフレの進行による景気悪化の懸念がひとまず和らいだ。リスク回避の姿勢を強めていた投資家が幅広い銘柄に買いを入れた。
前日の商品先物市場では石油輸出国機構(OPEC)による原油増産の思惑から、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油が10%超下がった。穀物や非鉄金属などほかの商品の下げにも波及した。資源高に伴う景気減速への懸念がいったん後退し、前日の欧州や米国の株式相場が大幅に上昇した流れで、東京市場でも買いが優勢だった。
日経平均は前日まで3日連続で昨年来安値を更新し、直近4営業日で1800円超下げていた。主力銘柄に自律反発を見込んだ買いが入りやすかった。アジアの主要な株式相場が堅調だったこともあり、空売りしていた投資家の買い戻しが入り、上げ幅を広げた。日経平均は1000円高となる場面があった。
JPX日経インデックス400は5営業日ぶりに反発した。東証株価指数(TOPIX)も5日ぶりに反発し、71.14ポイント(4.04%)高の1830.03で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆3885億円。売買高は15億403万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は2140と、全体の98%を占めた。値下がりは30、変わらずは10だった。
前日に昨年来安値を付けた昭電工やGSユアサ、日産自が大幅高。東エレクや信越化、リクルート、ソニーGも上昇した。一方、日経平均構成銘柄で下げたのは大平金、東電HD、セブン&アイの3銘柄にとどまった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕