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つみたてNISA、国内株アクティブ型の実力は?

投信観測所

政府は2022年末に少額投資非課税制度(NISA)拡充や個人型確定拠出年金(iDeCo)改革などの「資産所得倍増プラン」を策定する。個人が長期にわたって資産形成を行う場合、2018年1月にスタートした積み立て型のつみたてNISAなどをうまく活用し、長期・積み立て・分散投資に取り組むことがますます重要になりそうだ。

つみたてNISA対象、残高上位に先進国株式型

つみたてNISAの対象商品は、5月末時点で213本ある。QUICK分類ではインデックス型(指数連動型)投信が135本、アクティブ型(積極運用型)が71本、上場投資信託(ETF)が7本となっている。金融庁が指定したインデックスに連動するタイプ以外は運用年数などの条件が厳しいこともあり、インデックス型の本数が圧倒的に多くなっている。

図表1はつみたてNISA対象ファンド(ETF除く)の純資産残高トップ10をランキングしたものだ。米国株式のパフォーマンスの高さなどから先進国株式型のインデックスファンドに人気が集まり、残高が膨らんでいる。上位10本中8本がインデックス型で、そのうち6本が先進国株式型だった。国内株式型はわずか2本で、うち1本は日経平均株価に連動するインデックス型だった。

国内株式への分散投資、リスクを低減

現状は国内株式型の影が薄いが、分散投資の観点からは幅広い地域に資金を分散することが肝要だ。米国など海外の先進国株式への一極集中を避け、国内株式型にも資金を振り分けることでポートフォリオ全体のリスクを低減させることができる。

実際に今年は東証株価指数(TOPIX)の5月末時点の年初来騰落率がマイナス4.0%にとどまり、米S&P500種株価指数の同マイナス13.3%を相対的に上回っている。つまり米国株式に集中投資するよりも、国内株式にも分散投資していた方がポートフォリオ全体のパフォーマンスは良かったことになる。

アクティブ型3本、市場平均を上回る

国内株式型に投資するにはどのような選択肢があるのか、アクティブファンドに焦点を当てて運用成績などを調べた。図表2は主に国内株式で運用するつみたてNISA対象のアクティブファンド7本について、制度導入当初(17年12月末基準)から22年5月末までのリターンが大きい順にランキングしたものだ。また、図表3には各ファンドの基準価格の推移を載せた。それぞれ参考指標として配当込みTOPIXを併記している。

17年12月末を起点に基準価格の推移を見ると、19年にはすべてのファンドがマイナス圏に沈み苦戦していたが、20年末にはほとんどがプラス圏に浮上し、22年5月末時点では7本ともプラスのリターンを確保している。特にランキング上位3本のファンドはTOPIXを大きくアウトパフォームし、かつ運用効率の良さを表すシャープレシオでも上回り、市場平均に対して健闘していることが確認できる。

首位は三井住友DSアセットマネジメントの「大和住銀DC国内株式ファンド」で、割安株(バリュー株)に投資するファンド。2位の日興アセットマネジメントの「年金積立 Jグロース<愛称:つみたてJグロース>」はボトムアップリサーチによって成長株に投資する。3位の「コモンズ30ファンド」は約30銘柄に厳選投資するファンドだ。

このように運用スタイルはそれぞれ異なるが、市場平均を上回る結果を出している国内株式型のアクティブファンドが存在する。ポートフォリオが先進国株式型に偏っている場合は、リスクを低減させるためにも国内株式型ファンドの組み入れを検討してみてはどうだろうか。

(QUICK資産運用研究所 平原武志)

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