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4周年のつみたてNISA、コツコツ投資で含み益に

投信観測所

つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)は2018年1月に始動し、今年1月で4年が経過した。世界的な相場下落や回復局面もあった4年間だったが、毎月コツコツと積み立て投資を続けた人の運用成績はどうなっただろうか。

コツコツ投資の成果、投資対象別に調査

国内公募の追加型株式投信(上場投資信託=ETFを除く)のうち、18年1月末時点でつみたてNISAに採用されていたファンドを対象に、運用成果を調べてみた。18年1月に積み立て投資をスタートし、21年11月までの47カ月にわたり、毎月月末の基準価格で買い続けた場合を21年12月末時点で評価した。

毎月の投資額は3万3333円で、年間の非課税枠40万円を上限利用したとする。投資元本の合計は約156万円で、21年12月末の評価損益を計算した。主な投資対象別に日本株、海外株・全世界株、バランス型の3グループに分類し、評価損益の上位と下位の各5本を表にまとめた。

「海外株・全世界株」が成績好調

上位5本の含み益が多かったのは、海外株・全世界株で運用するグループ。首位は「iFree S&P500インデックス」で、含み益は100万円を超えた。元本の約156万円は1.6倍ほどに増えた。

複数の資産に分散投資するバランス型の首位は、「のむラップ・ファンド(積極型)」。含み益は約53万円。国内外の株式と不動産投資信託(REIT)が多く組み入れられており、バランス型のなかでも積極的に運用を行うタイプ。それ以外の4本も50万円弱と、大きな差は出なかった。

日本株グループでは「コモンズ30ファンド」が、含み益約52万円で首位だった。3位まではアクティブ型(積極運用型)が占め、すべて含み益が50万円を超えたが、4~5位は日経平均株価に連動するインデックス型(指数連動型)で、含み益はどちらも43万円台だった。

長期・積み立て・分散投資を忘れずに

4年間の積み立て投資について調べた今回の試算では、すべての対象ファンドの評価損益がプラスとなった。含み益が最も低かった東京海上・円資産インデックスバランスファンド<愛称:つみたて円奏会>」でも2万円半ばの利益が出ており、元本割れのファンドはなかった。

つみたてNISAの非課税期間は最長20年。制度開始から4年経過した運用成績は好調だ。ただし、新型コロナウイルス感染拡大懸念から相場が大きく下落した局面など、途中で元本を割り込む場面も当然あった。積み立て投資は、相場下落時にも投資し続けることで、相場が回復・上昇した時に運用成果としてリターンを得られる。投資初心者は資産の上下に不安になることも多いだろうが、相場から退場せず投資し続ける「長期・積み立て・分散投資」で将来の資産づくりに取り組んでほしい。

(QUICK資産運用研究所 西本ゆき)

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