無駄削減に統計データ活用 政府、財源捻出へ新手法

政府は31日、行政改革推進会議(議長・岸田文雄首相)を官邸で開き、中央省庁の予算執行の無駄をチェックする行政事業レビューの実施要領を改定した。統計データに基づいて政策の効果を評価する新たな手法を全面的に導入。基金事業についても点検を強化し、余剰資金の国庫返納を進める。大幅増となる防衛費の財源捻出につながるかどうかが焦点だ。
レビューは約5千に上る全事業について各府省庁が自己点検し、外部有識者による検証などを経て結果を次年度予算案に反映させる仕組み。最近では削減規模が頭打ちの状況で、抜本的な見直しが必要と判断した。
首相は会議で「データを踏まえて柔軟に軌道修正を行うことを通じ、限られた資源を有効活用する」と強調した。
新たな手法は「EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メーキング)」と呼ばれるもので、米国や英国では犯罪率の引き下げや子どもの学力向上など、多くの分野で活用が進んでいる。
要領改定に伴い、2024年度予算から、長年続いた事業でも、効果が上がっていないものは廃止に踏み切る。成果目標を短期、中期、長期と設定し、データに基づいて政策効果を把握する。
基金については、余剰資金の点検以外に、事業の目標設定が適切かどうかなどを厳格に評価。外部の有識者が点検する仕組みも導入する。〔共同〕