日中防衛「ホットライン」設置完了 今春から運用めざす
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防衛省は31日、日本と中国の防衛当局を緊急時に結ぶ「ホットライン」の設置が完了したと発表した。今春の運用開始をめざす。自衛隊と中国軍の偶発的な衝突回避へ意思疎通する「海空連絡メカニズム」の柱となる。
ホットラインは専用回線を使って防衛当局の幹部が電話で連絡を取り合う仕組み。日中はかねて設置に合意していたものの、長らく運用のめどが立っていなかった。
岸田文雄首相と習近平(シー・ジンピン)国家主席の2022年11月の首脳会談で早期の運用を確認し、機材や回線の準備を進めてきた。
中国は沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海で軍備を増強し、安全保障上の懸念が高まっている。ホットラインの確保で不測の事態を防ぐ効果を見込む。
中国国防省は31日、ホットライン設置について「双方の海空危機管理能力を強化し、地域の平和と安定をさらに維持するのに役に立つ」とコメントを出した。
日中両政府は外務・防衛当局による「日中安保対話」を4年ぶりに開催するなど、意見交換の機会を増やしている。
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