高速道路の老朽化対策、1.5兆円追加 有料期間を延長へ - 日本経済新聞
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高速道路の老朽化対策、1.5兆円追加 有料期間を延長へ

老朽化が深刻な高速道路の更新・修繕費用が膨らんでいる。東日本高速道路(NEXCO東日本)などNEXCO3社は31日、橋梁などの更新にかかる追加費用が約1兆円になると発表した。首都高速・阪神高速を含め約1.5兆円が新たに必要になる。政府は財源確保のため有料期間を最長50年延長する方針だが、利用者負担の増大に丁寧な説明が求められる。

本州四国連絡高速を含めた全国6社の更新費用はこれまで計約5.4兆円の計画だった。31日の発表内容などを加味すると28%増の計約6.9兆円に増える。

NEXCO3社が発表した追加費用は関越自動車道や山陽自動車道などの計約500キロメートルが対象だ。橋梁の床板の取りかえに約4500億円、道路の高耐久化に約2400億円かかる。3社が管理する高速道路約9660キロメートルのうち40年以上が経過した道路は3割あり、更新費用がさらに膨らむ可能性もある。

道路のメンテナンスは高速道路の料金収入などで賄っている。高速道路のインフラ資産と整備にかかった債務は日本高速道路保有・債務返済機構が有する。2005年の道路公団の民営化では、約40兆円の債務を完済したうえで50年に無料化すると定めていた。

12年に発生した中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、更新費用の増大の可能性が高まり、14年に有料期間を最長65年まで延長した。今回、さらに費用が膨らむことがわかり、今通常国会では、この有料期間をさらに最長2115年まで延長する関連法の改正案を提出する。

同機構の債務残高は22年3月末時点で約28兆2700億円あり、更新費用が増せば完済は遠のく。政府は無料化の方針を事実上棚上げする。利用者が見込みにくい地方での新たな道路整備などにはこれまで以上に厳しい視線も注がれる。

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