7月鉱工業生産1.5%低下 2カ月ぶり、自動車など減産
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経済産業省が31日発表した7月の鉱工業生産指数(2015年=100、季節調整済み)速報値は98.1となり、前月比で1.5%下がった。低下は2カ月ぶりで、自動車工業や電気・情報通信機械工業などが減産した。世界的な半導体不足の長期化や新型コロナウイルスの感染拡大による東南アジアからの部材調達の停滞が響いた。
全15業種のうち9業種が下がった。自動車工業は普通乗用車などの減産で3.1%、電気・情報通信機械工業はリチウムイオン蓄電池やセパレート形エアコンの生産が減って3.4%低下した。フェノールなどが減産した無機・有機化学工業は3.9%下がった。
「自動車やエアコンは半導体不足の影響が出た」(経産省)。自動車は感染拡大で経済活動が制限された東南アジアからの部材調達が滞ったことも影響した。
主要企業の生産計画から算出する生産予測指数は8月が3.4%の上昇、9月は1.0%の上昇となった。このうち自動車などの輸送機械工業は8月に7.3%の大幅な低下を見込む。9月は3.1%の上昇を見込むものの「東南アジアの感染拡大による部材調達の混乱を十分に織り込んでいない可能性があり下振れリスクがある」(同)という。
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