2月の鉱工業生産0.1%上昇 部品不足緩和で車持ち直し
(更新)

経済産業省が31日発表した2月の鉱工業生産指数(2015年=100、季節調整済み)速報値は95.8となり、前月比0.1%上がった。上昇は3カ月ぶり。部品不足の緩和で自動車工業が10.9%上昇と持ち直した。3月以降はロシアのウクライナ侵攻による物流の混乱や16日の福島県沖地震を受けた工場停止といった下振れリスクがある。
全15業種のうち5業種が上昇し、10業種は低下した。ウエートの大きい自動車工業の大幅な上昇が全体を押し上げた。普通乗用車や小型乗用車の生産が増えた。

自動車工業は1月、新型コロナウイルスのオミクロン型の感染拡大による部品供給の停滞で17.3%低下していた。2月は国内各社の工場の稼働が回復した。
汎用・業務用機械工業はコンベヤや圧縮機の増産で1.2%上昇した。普通鋼鋼帯や粗鋼の生産が増えた鉄鋼・非鉄金属工業は1.1%上がった。
主要企業の生産計画から算出する生産予測指数は3月が3.6%、4月は9.6%の上昇を見込む。自動車などの輸送機械工業は3月に8.3%、4月も8.3%上がる見通しだ。3月10日までの回答を集計したため16日の福島県沖地震の影響は基本的に織り込んでいない。部品メーカーの被災で自動車メーカーが工場を止めるなどの影響が出ている。
経産省の担当者はウクライナ侵攻に関し「現時点で生産への影響は確認できていないがエネルギー価格の高騰や物流の混乱を心配する企業は多い。注視する」と述べた。
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