30日の衆院憲法審査会の発言要旨

30日に開いた衆院憲法審査会での各党派の発言要旨は次の通り。
【自民党】
国会議員任期延長の国会での議決要件を過半数とするか、3分の2以上とするかを問題提起している。議論を積み重ねることが重要だ。
選挙実施困難事態の認定は、一義的に政治が行うものだ。判断に対する信任は国政選挙で示される。一方、裁判所の関与を一切否定するものではない。さらに議論を深めたい。(新藤義孝氏)
【立憲民主党】
憲法は、衆院が解散中の場合は参院の緊急集会による対応を想定している。「緊急政令」を憲法に規定する必要はない。緊急事態条項は不要だが、選挙実施困難事態への対応は議論が必要だ。選挙が長期間行えない場合の対処が憲法に明示されていないからだ。
まずは有識者の参考人質疑を求める。参院憲法審との合同での議論も必要だ。憲法解釈や国会法改正で対応できないと明確になれば、議員の任期延長を議論すべきと考える。(奥野総一郎氏)
【日本維新の会】
選挙実施が可能なのに、時の権力者ができないと言い張り、ずるずると先延ばしすることが危惧される。選挙実施困難事態は、内閣と国会だけでは都合よく決める危険性がある。裁判所の関与が必要だ。(三木圭恵氏)
【公明党】
緊急政令は不要だ。危機管理法制の中で、必要なものを補充していくことで足りる。(吉田宣弘氏)
【共産党】
岸田政権による安全保障政策の大転換は重大な問題だ。反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有は違憲だ。(赤嶺政賢氏)
【国民民主党】
維新、国民民主、衆院会派「有志の会」の3会派で議員任期延長の条文案について合意を得た。憲法審にも示したい。(玉木雄一郎氏)
【有志の会】
議員任期延長には3分の2以上の議決が必要だ。期間は1年が上限となる。(北神圭朗氏)〔共同〕