鉱工業生産2年ぶり低下 22年0.1%下落 コロナ前下回る

経済産業省が31日発表した2022年通年の鉱工業生産指数(15年=100)は前年比0.1%低下の95.6だった。低下は2年ぶり。新型コロナウイルス流行前の19年(101.1)を下回っている。中国での都市封鎖(ロックダウン)の影響で年前半に自動車工業が落ち込み、海外での景気減速懸念から年後半は電子部品・デバイス工業が伸び悩む。
22年10~12月期は95.4(季節調整済み)と前期比で3.1%低下した。
22年12月の指数(同)速報値は前月比0.1%低下の95.4だった。2カ月ぶりに低下した。生産判断は「弱含み」を維持した。国内外での需要減が響き、幅広い業種で前月を下回った。
生産は全15業種のうち、10業種で低下した。汎用・業務用機械工業は前月比で6%マイナスだった。ボイラー部品で前月からの反動が出たほか、汎用内燃機関は搭載製品が他の部品の調達不足で生産が減少した。鉄鋼・非鉄金属工業は3%、電気・情報通信機械工業は1.2%、それぞれマイナスとなった。
4業種は増加した。航空機用発動機部品などの自動車工業を除く輸送機械工業は4.5%増えた。自動車工業は0.6%、生産用機械工業は0.7%、それぞれ増加した。無機・有機化学工業のみ横ばいだった。
主要企業の生産計画から算出する生産予測指数は1月は前月比で横ばいを見込む。企業の予測値は上振れしやすく、例年の傾向をふまえた経産省の補正値は4.2%のマイナスとなった。2月の予測指数は4.1%の増加を見込む。
経産省の担当者は今後の見通しに関して「コロナ感染拡大の国内外の経済への影響や、物価上昇について注視していく必要がある」と話した。
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