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菅首相会見の要旨 「高齢者接種、今月で目標達成」  「軽中等症向け新薬、積極供給」

菅義偉首相の記者会見の要旨は次の通り。

記者会見する菅首相㊧と尾身会長(30日、首相官邸)

【冒頭】

埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府に緊急事態宣言を発出し、北海道、石川県、京都府、兵庫県、福岡県にまん延防止等重点措置を実施する。期間はそれぞれ8月2日から8月31日まで。東京都、沖縄県の緊急事態宣言を8月31日まで延長する。

首都圏、関西圏をはじめ多くの地域で新規感染者の増加傾向が続き、これまでに経験をしたことのないスピードで感染が拡大している。全国的にインド型(デルタ型)への置き換わりが急速に進むにつれ、さらに感染の拡大が進むのが懸念される。

高齢者の73%が2回の接種を完了し、これまでとは明らかに異なる特徴がみられる。ワクチン接種の効果が顕著に表れている。

それでもなお強く憂慮すべきことがある。一つは若い世代での感染が急拡大していることだ。このまま感染者の増加が止まらなければ重症者数もさらに増加し、病床が逼迫する恐れがある。

ワクチン接種を進めながら病床の逼迫を招かないよう緊急事態宣言と重点措置の地域を拡大し、期限を延長すると判断した。

自粛の期間が長期化する中で自粛疲れの広がりが懸念されている。特に若い世代からはコロナが怖い病気ではないといった声も聞かれる。感染対策よりも通常の生活や楽しみを優先させたいという気持ちもあると思う。

ワクチン接種がさらなる効果を発揮するまで、一人ひとりが高い警戒感を持って感染予防を徹底し慎重な行動をとるようお願いする。

飲食店には協力金を早期に支払い、これまでの協力金を簡素な審査で速やかに支給するなど要請に協力していただける環境の整備に努める。各都道府県において飲食店への見回りを拡大し対策の実効性を高めていく。

夏休みが続きお盆の時期を迎えるが、不要不急の外出や移動の自粛をお願いする。外出が必要な場合にも少人数にしてほしい。帰省など避けられない都道府県の移動も感染防止策の徹底など極力慎重に対応してほしい。路上の飲み会や大人数の飲食は控えるようお願いする。

東京五輪が始まっても交通規制やテレワーク、皆さんの協力によって東京の歓楽街の人流は減少傾向にある。今後も自宅でテレビなどを通じて声援を送っていただきたい。

これまでのワクチン接種回数は企業や大学の接種を合わせ9000万回に近づき、今月末には高齢者の8割近くが2回の接種を終える見込みだ。今後は重症化リスクが次に高い40歳代、50歳代、そして感染が大きく広がっている若い世代の接種に注力する。

40歳代以上に接種可能となる英アストラゼネカ製のワクチンが承認された。200万回分が確保されており、希望する自治体に提供する。8月下旬には2回の接種を終えた人の割合が全ての国民の4割を超えるよう取り組む。

軽症者や中等症者には効果的な治療薬がなかったが、重症化リスクを7割減らす画期的な治療薬(抗体カクテル療法)が承認された。政府として十分な量を確保しており、50歳代以上の患者に加え、基礎疾患のある方に積極的に供給し重症化を抑えていく。

宣言の出口はワクチンの接種状況と合わせて重症者向け病床使用率など医療提供体制への負荷を分析し、判断していく。その上で社会経済活動の制限の緩和に向けた道筋を示していく。8月末までの間、今回の宣言が最後となるような覚悟で政府挙げて全力で対策を講じていく。

【質疑】

――東京五輪・パラリンピックは予定通り実施しますか。

人流が減少しているのは事実だ。さらに抑制をするため、自宅でテレビ観戦をしていただけるよう要請したい。

――どのように感染を抑えていきますか。

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長 今は比喩的に言えば火事が燃えさかりつつあり、この火事をなんとか早く下火にするのに集中すべきだ。それを乗り越えられれば光が見えてくると思う。

――人流が減っているのであれば、ここまで感染が急拡大しないのではないですか。

東京五輪は選手や関係者の羽田、成田空港への入港時に日本国民と接触することがないようにするなど、しっかり対応している。(感染拡大の)原因にはなっていないと思っている。

――今後のワクチン接種は40~50歳代を優先しますか、それとも20~30歳代を優先しますか。

重症化リスクの高い高齢者については7月いっぱいで目標を達成することができたと思っている。職域接種は40~50歳代が一番多く、若者対策として大学での接種も始まっている。トータルで考えて対応していくことが大事だ。

――人流を減少させるためにはどのような方法が必要でしょうか。

尾身会長 いま国民は複雑な心境になっている。そうした国民の複雑な心情に寄り添った発信の仕方というのが求められている。みんなが協力してやれば必ず感染は下火になる。

――ロックダウン(都市封鎖)を可能にする法整備は検討しますか。

欧州などでロックダウンをしても、なかなか出口が見えなかった。結果的にやはりワクチンだった。日本ではロックダウンという手法はなじまない。

――自民党総裁の任期中に衆院解散する考えに変わりはありませんか。

感染拡大の阻止が内閣にとって最優先の課題だ。とはいえ任期もある。そうしたことを踏まえながら全体として検討していきたい。

――感染拡大を抑えられなかったら辞職する覚悟はありますか。

感染対策にしっかりと対応することが私の責任で、私はできると思う。

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