ワクチン相、官房長官が兼務 堀内氏は退任へ

松野博一官房長官は29日の記者会見で、法律で定める閣僚数が1減となるのに伴い、堀内詔子ワクチン相が31日で退任すると発表した。岸田文雄首相からワクチン相は松野氏、五輪相は末松信介文部科学相が兼務するよう指示があったと明らかにした。
堀内氏は五輪相とワクチン相を兼ねていた。五輪相は東京五輪・パラリンピックに関連する特別措置法による期間限定のポストで、3月末に設置期限を迎える。内閣の閣僚数は堀内氏の退任により20人から19人に減る。
ワクチン接種の推進は新型コロナウイルス対策の柱になる。松野氏は自らが担当を兼務する理由について「内閣が総合的、一体的に取り組むべき課題だ。内閣の総合調整機能を担当する私にというご指名だと思う」と説明した。
「ワクチンの3回目接種は発症・重症化予防の要であり、岸田内閣の最優先課題のひとつだ」と語った。「希望する人が1日でも早く、できるだけ多く接種いただけるよう全力で取り組んでいきたい」と指摘した。
ワクチンの3回目接種は2021年12月に始めた。22年3月29日時点で65歳以上の高齢者が済ませた割合は8割を超えた一方、全体では4割ほどでなお途上にある。日本の接種率は米国を上回ったものの、英国やドイツ、フランスなどは5割を超えている。
厚生労働省や総務省などと連携し、自治体を中心に全国の接種体制を支援する必要がある。松野氏の下での事務方の体制を検討する。
厚労省は25日、全国の自治体に4回目接種の準備を求める通知を出した。松野氏は対象者や3回目からの接種間隔に関して「専門家の意見も聞きながら検討を進めていく」と訴えた。
閣僚数は内閣法で上限を17人と定める。この枠外として五輪相のほか復興相と万博相を期間限定で設けている。