通信障害の周知ルール、金子総務相が策定検討を表明
金子恭之総務相は29日の閣議後の記者会見で、通信障害が起きた際の周知方法に関する業界ルールの策定を検討する考えを表明した。KDDIの障害で利用者への情報発信は不十分だったと指摘される。事故を検証する総務省の有識者会議で、利用者目線での周知方法や情報伝達手段の多様化などの観点で議論を進める。

有識者による「電気通信事故検証会議」は事故原因の検証や再発防止策を協議する。周知のルール化は同会議で検討する。KDDIは総務省に28日提出した事故報告書で、情報発信について「利用者目線に立った内容や分かりやすい表現にする点で不十分だった」といった趣旨の内容を盛り込んだ。障害時に携帯電話を使えない利用者への情報伝達手段の多様化も課題にあがる。
金子氏は「2日以上の長時間にわたり、利用困難になったことは大変遺憾だ。KDDIには再発防止に万全を期してもらいたい」と強調した。総務省は報告書を精査し、8月にも行政指導する方針だ。
携帯電話会社が緊急時に他社の通信網を借りる「ローミング」については「重要な課題のひとつだ。総務省として速やかに検討を進めたい」と述べた。
KDDIの障害は2日以上続き、音声通話とデータ通信で延べ3091万人以上に影響が及んだ。ルーター(通信機器)のメンテナンス作業時に通信経路を誤って設定し、不具合を起こした。音声交換機にアクセスが過度に集中し、全国の通信網に影響が広がった。
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