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CO2値付け結論先送り 負担増に慎重論、欧州に出遅れ

カーボンプライシング導入の可否について議論が続く=共同

環境省は29日、温暖化ガス排出に価格付けするカーボンプライシング(CP)の活用を検討する小委員会で中間報告案を公表した。炭素税と排出量取引で負担が増えることを懸念する産業界の慎重意見を受け賛否両論を併記し、結論は先送りした。欧州や中国、韓国など多くの国が導入済みだが、日本は議論が長引き遅れている。

報告案は「今年中に一定のとりまとめを視野に議論を進める」との表現にとどまり、制度設計などの方向性を出さなかった。炭素税について「消費者まで幅広く脱炭素の移行を推進する」という賛成意見と「中小企業の経営を圧迫し脱炭素の設備投資を阻害する」などの懸念を並べた。導入を推す委員も多かった一方、経団連や鉄鋼業界などの委員が慎重だったためだ。

環境省は約20年前から炭素税の検討を重ねてきた。2012年に地球温暖化対策税を導入したものの、欧州の炭素価格に比べると1ケタ小さい。18年にはCPの本格導入を目指して産業界の委員を交えて議論したが、19年の中間整理も両論併記だった。

経済産業省も負担増を懸念する業界に配慮して炭素税と排出量取引は導入せず、自主的な取り組みを拡大する方向だ。諸外国が脱炭素に向けて走り出すなか、日本のCP導入は国内調整に難航し決着の姿が見えない。

先を行く欧州連合(EU)は7月、環境規制の緩い国からの輸入品に事実上の関税をかける国境炭素調整措置を23年にも導入する方針を示した。米国やアジアの動きも活発だ。中国は全土で排出量取引を始め、ベトナムやタイ、インドネシアなどもCP導入を検討中だ。

導入に賛成する日本企業もある。小委員会で気候変動対策に積極的な企業で構成する日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)所属の委員は環境対応を進めなければ国際競争力を失うとして「CP導入に向けてより具体的で前向きな議論をすべきだ」と危機感をあらわにした。

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