5G基地局巡り共同研究、日英合意 通信機器を安定確保

金子恭之総務相は29日、ロンドンで英デジタル・文化・メディア・スポーツ省のロペス閣外相(副大臣級)と会談した。高速通信規格「5G」の基地局に異なるメーカーの製品を組み合わせて使う「オープンRAN(ラン)」について共同研究開発を始めることで合意した。通信機器のサプライチェーン(供給網)の安定確保を狙う。
これまで基地局は1つのメーカーがまとめて通信機器を納入するのが一般的だった。中国の華為技術(ファーウェイ)など特定企業への依存がリスクとなっており、オープンRANの取り組みが広がりつつある。規格を共通化することで、複数メーカーの機器を組み合わたネットワークを構築できる。
オープンRANの仕組みを使うと5Gのネットワーク網を効率的に整備しやすいとされている。日英は両国の試験設備をつかった協業などに取り組む。政府間の合意により通信メーカーに技術開発を促し、次世代の「6G」でも協力する。
世界の基地局はファーウェイ、スウェーデンのエリクソン、フィンランドのノキアの3社が約8割のシェアを持つ寡占市場になっている。日本勢ではNECや富士通がこうした機器を手掛けている。日英は安定した調達に向けた環境の整備が課題とみており、連携を強める。