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バイデン政権初の予算教書 歳出債務、コロナ前の3割増

(更新)
バイデン米大統領夫妻(28日、ワシントン郊外アンドリュース空軍基地)=AP

【ワシントン=大越匡洋】バイデン米政権は28日、2022会計年度(21年10月~22年9月)の予算教書を公表した。歳出規模は新型コロナウイルス危機前を3割上回る6兆110億ドル(約660兆円)を連邦議会に求めた。コロナ対策で後から膨らんだ21年度より減るものの、当初の予算教書で示された歳出としては戦後最大の規模となる。

企業や富裕層への増税による税収増はインフラ投資や育児支援などに回すため、政府債務の国内総生産(GDP)比も危機前の100%強から138%に上昇。30年度まで140%前後の過去最高水準が続く見通しだ。

バイデン政権として税財政運営の方針を示す予算教書を公表するのは初めて。予算教書は、一般教書や大統領経済報告と並ぶ「三大教書」の一つ。米国の税財政は議会上下両院に立案・決定権があるため予算教書に強制力はないものの、大統領の政権運営の意思が反映されるため、議会審議のたたき台となる。

バイデン政権は「大きな政府」への傾斜を一気に強める姿勢を示した。コロナ対策が積み上がった21年度に比べれば22年度の歳出規模は17%減るが、危機前の19年度(4兆4000億ドル程度)から水準を大きく引き上げることを求める。

今後8~10年かけて2兆ドル規模をインフラなどに投じる「米国雇用計画」、1.8兆ドル規模を育児や教育などの支援に回す「米国家族計画」を反映し、例えば交通インフラの整備に今後10年で約5500億ドルを追加で支出する。こうした歳出拡大は連邦法人税率を21%から28%に上げるなど企業と個人富裕層への増税を充て「15年間かけて財源を賄う」(政府高官)としている。

国防費も増勢が続く。22年度は1.6%増の7530億ドルを要求した。伸び率は物価上昇並みといえるが、台頭する中国との競争など安全保障環境の変化を意識している。GDP比で3%程度と、トランプ前政権の想定と変わらない規模を今後も保つ。

政権が掲げる増税を超えて当面は歳出が膨らむため、22年度の財政赤字は約1兆8000億ドルで、GDP比7.8%とリーマン・ショック後の水準に並ぶ。23年以降も5%前後で高止まりする見通しだ。政府債務のGDP比は戦後1946年の水準(119%)を大きく上回り、140%前後が続く。政権は2030年代に財政赤字や債務が徐々に減っていくと説明している。

前提となる経済の姿について21、22年の実質GDP成長率を5.2%、4.3%と見込み、31年時点で2%成長を保つとした。今年2月に米議会予算局は26~31年の平均成長率を1.6%と予測した。バイデン政権は3月以降の経済対策や今後のインフラ投資などにより「長い目でみて成長率は0.4ポイント上振れする」と説明している。

今後10年にわたり物価上昇率が2%をいくぶん上回る水準が続くほか、失業率は23年以降に4%を下回るとの見通しを前提に置いた。債務が膨張するなかでインフレが加速し、利上げを迫られれば利払いの急増や景気の停滞を招く恐れがある。

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