高市早苗氏、総務省文書は「怪文書の類い」 放送法巡り

高市早苗経済安全保障相は28日の参院予算委員会で、放送法の政治的公平に関する総務省の行政文書に関し「怪文書の類いだ」と指摘した。「事実と異なる内容を入れられている。作成者、配布先、作成目的も不明だ」と強調した。
怪文書は一般的に出所や信ぴょう性が不明な状態で出回る文書などを指す。安倍晋三政権で当時の菅義偉官房長官が加計学園問題に関する文書を巡り「全く怪文書みたいな文書ではないか」と表現した経緯もある。
高市氏が言及したのは立憲民主党の小西洋之氏が2日に「総務省職員から提供を受けた内部文書」だと公表した文書だ。総務省は7日に行政文書と認めた。
この文書のうち自身に関する4枚について「ありもしないことがあったようにつくられている」として「捏造(ねつぞう)」と主張している。
予算委で「捏造」との表現をめぐり「かなり配慮したつもりだ」と述べ、撤回しない考えを改めて示した。「刑法で使う偽造や変造という言葉は当時の職員に厳しすぎると考え、一般的な用語を使った」と説明した。
野党の閣僚辞任要求も拒否した。「何らやましいこともないのに閣僚の職を辞するということはない」と言明した。
文書には2014〜15年に当時の礒崎陽輔首相補佐官が放送法の政治的公平の解釈を巡り総務省幹部とやりとりした記録がある。野党は政治的圧力で解釈を変更させたと批判している。
高市氏は礒崎氏と総務省側がやりとりしていたことは知らなかったと重ねて主張した。「完全に外されていたのかもしれない」とも語り、自身の関与を否定した。
文書のうち自身が登場しない部分をめぐって「当事者ではないので確認のしようがない」と話した。
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