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RCEP国会承認 年末にも発効、アジアに巨大経済圏

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日本、中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)など15カ国が2020年11月に署名した地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が28日午前の参院本会議で承認された。早ければ年末にも発効する見通しで、国内総生産(GDP)で世界の3割を占める巨大経済圏が誕生する。米中対立が激しさを増すなか、日本は経済安全保障とのバランスも問われる。

協定はASEAN10カ国と、他の5カ国のそれぞれ過半数が国内手続きを終えてから60日後に発効する。中国とシンガポールは国内手続きを完了している。年内に多くの国が国内手続きを終えるとみられ、早ければ年末ごろに発効する可能性がある。

RCEPは関税削減や知的財産の統一ルールなどを通じて貿易自由化を促進する枠組み。発効すれば参加国全体で工業製品や農林水産品など91%の品目で関税を段階的に撤廃する。日本が適用除外を主張したコメや牛肉・豚肉など重要5品目は関税削減の対象から外れた。

日本にとっては中国、韓国と締結する初の経済連携協定となる。中韓両国は自動車部品などの関税を最長20年程度かけて段階的に撤廃する方針だ。工業製品で無税となる品目の割合は中国が現行の8%から86%、韓国は19%から92%にそれぞれ拡大する。

関税だけでなく、自由なデータ流通を保証し、進出国内にサーバーなどの設置を求めることを禁じる内容も盛り込んだ。日本企業が中国でビッグデータを集める際などに効果がある。

米ピーターソン国際経済研究所はRCEP発効で世界のGDPが30年までに1860億ドル(約20兆円)増えると推計する。RCEPの参加国は日本の貿易総額の半分を占める。政府は日本のGDPを2.7%押し上げる効果を見込む。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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