「従軍慰安婦」は誤解招く 政府、答弁書を決定
政府は27日の閣議で、慰安婦問題に関し「従軍慰安婦」という表現は「誤解を招く恐れがある」として、単に「慰安婦」とするのが適切とする答弁書を決定した。第2次大戦中の朝鮮半島から日本本土への労働者の動員を「強制連行」とひとくくりにする表現も適切でないとした。日本維新の会の馬場伸幸衆院議員の質問主意書に答えた。
答弁書は、1993年の河野洋平官房長官談話で「従軍慰安婦」と記述した当時は「広く社会一般に用いられる状況だった」と説明。その後、慰安婦を強制連行したとする日本人男性の証言に基づく一連の記事を朝日新聞が取り消した経緯を踏まえ、近年は「慰安婦」を用いているとした。
加藤勝信官房長官は3月31日の記者会見で、河野談話を継承する日本政府の立場は「現時点でも変わるものではない」と重ねて強調している。〔共同〕