景気判断、東北など3地域で引き下げ 全国財務局長会議

財務省は27日、4月の経済情勢報告をまとめ、全国11地域のうち北海道、東北、四国の3地域で景気判断を引き下げた。個人消費の回復が鈍っているため。全国の総括判断は「緩やかに持ち直している」との見方を維持した。
同日開いた全国財務局長会議で報告した。東北地方は3月に発生した福島県沖を震源とする地震により、観光関連で「休業を余儀なくされた」(宿泊業)といった声があった。
全国でみると飲食、宿泊業などの客足は回復傾向で、個人消費は「緩やかに持ち直している」という。飲食や宿泊は首都圏などで3月21日まで続いた新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置によって打撃を受けていた。
全国の総括判断は緩やかな持ち直しとの見方を変えない一方で「一部に弱さがみられる」という表現を追加した。新型コロナへの警戒が続いていることや原材料価格の高騰が影を落としている。
企業の生産活動は半導体の不足といった供給制約の影響が長引いている。自動車生産は「部材不足により計画通りの生産ができない状況が続いている」(東海の自動車産業)という。関東、東海、福岡の3地域は生産の判断を下方修正した。
鈴木俊一財務相は27日の会議で、景気の先行きに関して「原油価格や物価の高騰が実体経済に与える影響に十分注意する」と述べた。政府が26日に決定した物価高対策に触れて「緊急かつ機動的に対応し、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとする」と強調した。