児童虐待、初の20万件超 20年度

厚生労働省は27日、2020年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待の相談件数が20万5029件だったと発表した。1990年度の統計開始以来、一貫して増え続けており、初めて20万件を超えた。警察との連携の強化で集まる情報が増えている。
内訳は心理的虐待が12万1325件で6割を占めた。身体的虐待(24%)やネグレクト(育児放棄、15%)と比べても突出して多い。
相談件数は15年度からの5年間で約2倍に増えた。虐待死事件などをきっかけに警察と児相の連携体制が構築され、情報提供量が飛躍的に増えた。20年度は5割が警察などからの情報提供だった。「隣の家から怒鳴り声が聞こえる」という通報をもとにドメスティックバイオレンス(DV)が発覚するケースもある。
新型コロナウイルスの感染拡大については「(児童虐待と)明確な関連性はみられない」という。件数が感染拡大期に横ばいだったり、感染者数が少ない時期に増加したりした。