/

官僚、在宅勤務しやすく 人事院が推進案を検討

本人希望なら容認案 始業時間柔軟に

人事院は28日、国家公務員の働き方や労働時間の是正に向けた研究会の会合を開いた。現在は上司による事実上の許可が必要なテレワークについて、職員本人が希望すれば認めるといった柔軟な運用を検討する。研究会が2023年夏にもまとめる報告書に盛り込む。

人事院が同年夏に実施する政府への勧告に反映することをめざす。

同日の会合はテレワークのほかにフレックスタイム制の拡充や休憩を柔軟にとれる制度設計に関し、公務員の労働組合などから意見を聞いた。出席者からは「十分なセキュリティー対策を確保してICT(情報通信技術)化を進めることができれば、テレワークできる職員の幅が広がる」などの意見が出た。

現行制度はテレワークについて定める法令がなく、上司などから職務命令を受けて在宅勤務する仕組みをとっている。職員本人が自由に勤務場所を決められるよう改善する案があがっている。

人事院が21年8月に公表した「公務員人事管理に関する報告」はテレワークの拡充を含む労働環境の改善を課題に挙げた。「職員が能力を十分に発揮するため長時間労働を是正しテレワークなどの柔軟な働き方に対応した勤務環境を整備することが重要」と指摘した。

米欧ではテレワークを促進する制度の整備が進む。公務員自ら申請すれば自由に働く場所を選ぶことができる。

米国は職務内容を事前に上司と擦り合わせ、合意すれば在宅で勤務できる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、最大限テレワークを利用するよう求めている。

フランスでは原則週3日を限度に出社せず、自宅などで勤務するよう推進する。就業時間外は業務連絡を受けない「つながらない権利」を保障する。

新型コロナ禍では子どもの休園や休校によって親が休職や退職を余儀なくされる例がある。テレワークの拡充で労働時間を柔軟にし、子育てや兼業・副業と両立しやすくする狙いがある。

国家公務員法は「勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない」と定める。テレワーク勤務の際、育児や家事で仕事から一時的に離れても適法かどうかが検討課題になる。

人事院の研究会は日々の始業や終業時間を柔軟に設定するフレックスタイム制の拡充も議題にする。毎日必ず就業する「コアタイム」と日によっていつ勤務してもよい「フレキシブルタイム」を設けるのが一般的だ。

人事院規則は午前9時から午後4時のコアタイムに休憩1時間を除き計5時間勤務すると規定する。研究会はコアタイムを改め、始業を早くしたり終業を遅くしたりできるようにするといった是正策を練る。

英米のように省ごとに異なるコアタイムを設ける案も模索する。人事院の10年の調査によると、英国の内閣府は週あたり36時間以上勤務するという条件を満たせば、勤務の開始と終了時刻を公務員自ら自由に決められると定める。

休憩を柔軟にとれる制度設計も構想する。人事院規則は公務員が連続4時間勤務したら1時間休憩すると定める。民間企業を対象とする労働基準法は勤務8時間超で1時間休憩と定める。必ずしもこまめに休憩したいとは限らず、改善策を調整する。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン