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接触アプリ不具合、会計検査院が是正要求

(更新)

会計検査院は27日、新型コロナウイルスの接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の不具合を巡る対応で、厚生労働省に対し是正改善を要求した。開発したシステムのテスト体制や事業コストの管理などが不適切だったと指摘した。対応のマニュアル化など具体的な改善策を求めた。

ココアは近距離無線通信規格のブルートゥースを用い、コロナ陽性者と近距離で接触していたことを利用者に知らせるアプリだ。2月に、一部で接触しても通知されない不具合が約4カ月続いていたことが発覚した。その後、同省や委託事業者の不手際が相次いで明らかになった。

検査院は3点を指摘した。厚労省がアプリの作動テストを適切に規定せず、実施状況を把握していなかったほか、不具合への指摘を適切に管理せず見過ごしていたこと、さらに不具合の修正費用の負担状況を検証していなかった点だ。

背景には、開発を担ったパーソルプロセス&テクノロジー(東京・江東)と厚労省との役割分担が不明瞭だったことや認識のずれがある。検査院は具体的な改善策として、システム開発時のテスト項目を明確にし、外部から不具合を指摘された際の対応マニュアルを作成して厚労省内で共有することなどを求めた。

調査では新たに、委託費用を適切に管理できていない実態も浮き彫りになった。パーソル側との契約では不具合を解消するための修正費用を厚労省が事業者に請求できるとされていたものの、厚労省は請求していなかった。

厚労省は「契約上の信義則から同社の費用負担で修理が行われていると認識しているので請求していない」と回答した。再委託業者からの作業報告書は大まかな内容にとどまり、不十分だった。パーソル側も、費用を厚労省に請求しておらず自己負担で修理をしたと説明している。だが明示できる資料はなく会計検査院は「客観的に検証できない」と判断した。

ココアの開発・運用に関するパーソルへの委託事業費は20年度に3億8000万円に上る。ただ、今回の不具合の修正にかかった費用は検査院の調査でも明らかにならなかった。作動テストの内容だけでなく請求書類や作業報告書など、事業者との様々なやりとりを中途半端にしてきたことがすべての要因だ。

ココアのダウンロード数は3000万件超で、陽性者の登録数も4万件近くある。政府が行動制限の緩和に向けて検討する「ワクチン・検査パッケージ」を活用する音楽ライブなどでの実証実験でも、参加者の接触状況の把握に用いられている。

厚労省は4月にまとめた報告書で、作動テストの重要性の認識不足やIT(情報技術)人材の不足を課題に挙げた。接触通知の体制作りを急ぐあまり、不具合や修正対応が後手に回っていた。ネット上で不具合への指摘があった時も、厚労省は対応の指示を口頭でしか行っておらず、パーソル側との役割分担も不明瞭だった。

政府は9月にデジタル庁を創設し、デジタル政策の司令塔作りを目指している。省庁単体ではIT化に対応できない実態も映し出す。創設したデジタル庁を中心に、同じ轍(てつ)を踏まないよう政府全体で機動的な対応を検討していく必要がある。

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