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介護施設、人員配置を緩和 医療・介護の効率化促す

規制改革会議が答申

(更新)

岸田文雄首相の諮問機関である規制改革推進会議は27日、政府に答申を提出した。人手不足が見込まれる介護施設で人員配置の基準緩和や、薬剤師などが看護の仕事の一部を担う「タスクシェア」を求めた。医療・介護を効率化するには今回提言しなかったテーマにも切り込むことが重要になる。

規制改革の答申は岸田政権ではじめて。「人への投資」や「医療・介護」「スタートアップ」など5つを重点分野に据えた。各省庁で擦り合わせ6月中に実施計画を閣議決定する。

答申は新型コロナウイルスの感染拡大に関し「医療デジタル化の遅れをはじめ医療関連制度の不全を露呈させた」と記した。オンラインを使った受診や健康管理を広げるデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性を訴えた。

介護分野は施設の入所者3人につき少なくとも1人の職員を配置する現行の基準を柔軟に運用するよう要請した。一定の要件を満たす施設は1人の職員で4人に対応できるようにする案を検討する。ロボットやセンサーを使ってサービスの質を担保する実証試験などを踏まえて調整する。

「タスクシェア」は海外の医療機関で進む取り組みだ。看護師や介護士など職種の異なる人で仕事を分担し、業務効率を高める。答申は対象となる職種として薬剤師を例示した。点滴の薬剤の充填・交換などが候補となる。

デジタル技術に不慣れな高齢者向けのルールも再検討が必要だと説いた。オンライン診療を受診する場を自宅や老人ホームに限定する規制を変更し、公民館などでも認めるよう促した。薬局以外の自宅から薬剤師がオンラインで服薬指導できるようにする。

特例として医師からの処方箋なしに買えるようにしている新型コロナの抗原検査キットを一般医薬品(OTC)にする項目も記述した。OTCにすればネット販売への道が開く。

新型コロナの収束を見込み民泊への参入を促進する。家主がいない民泊の管理を請け負う事業者について、講習を受ければ登録できる仕組みを提言した。これまでは不動産取引の免許や実務経験を求めていた。

建設や水道工事の技術者の資格要件の緩和も盛り込んだ。大卒や高卒といった学歴に応じて必要な実務経験の年数に違いを設ける運用を改める。若者の採用が厳しい地方のインフラ維持につなげる。

今回の答申では新型コロナの検査キットのOTC化を盛ったが、感染が広がってから2年以上かかった。その間にネット通販サイトには検査の精度が低い未承認品が並んだ。

昨年の答申では「OTCの選択肢の拡大」を掲げたものの、一般の関心が高い緊急避妊薬は現在も議論が進んでいない。

医療のタスクシェアでは業務量が多く負担軽減が必要とされる勤務医への適用も焦点だった。答申で言及しなかった背景に関して「夏の参院選前に医師会を刺激することへの警戒があった」との見方もある。

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