低炭素の水素製造年9000万トンに、30年目標 閣僚会議 - 日本経済新聞
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低炭素の水素製造年9000万トンに、30年目標 閣僚会議

(更新)

経済産業省は26日、燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素を活用する社会への転換をめざすための閣僚会議を開いた。製造時のCO2発生を抑える低炭素技術での水素の製造量を2030年までに世界で年9000万トンとする目標を設けた。国際的なサプライチェーン(供給網)の構築を急ぐ。

水素閣僚会議にはポーランドやドイツ、インドネシア、サウジアラビアなどの閣僚や政府の代表者のほか、国際エネルギー機関(IEA)の幹部も参加した。水素製造量の新目標は中谷真一経産副大臣が提案し、賛同が得られたとして議長声明に盛り込んだ。

現在は天然ガスなど化石燃料を水素の原料とする場合が多い。製造時にCO2を排出し、気候変動対策につながらない。再生可能エネルギーによる電気で水を分解して水素をつくるか、化石燃料由来でも製造時のCO2を回収して地下貯留や再利用をすれば低炭素化できる。

IEAの報告書によると、21年の水素需要は世界で9400万トンに達した。低炭素技術での水素製造量は100万トン未満という。低炭素技術での水素は製造コストが高く、普及に至っていない。経産省によると、CO2を排出する既存技術でつくった水素でも、エネルギー源としてのコストは石炭や石油といった化石燃料の最大12倍に達する。

22年2月、オーストラリアから日本へ液化水素が世界で初めて出荷された。国際的な供給網づくりは始まったばかりだ。需要創出も同時並行で進める必要がある。

議長声明では「低炭素水素の拡大はエネルギー安全保障に貢献できる」と盛り込んだ。「水素と化石燃料のコスト差を解消する支援が重要」とも指摘した。

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