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社会保障費急増「2025年問題」迫る コロナと両立課題

(更新)

政府は26日の経済財政諮問会議で、社会保障費の伸びを抑える改革案を議論した。民間議員は公的保険を適用する医薬品の範囲を絞るよう提案した。2025年には人口の多い団塊の世代が全員75歳以上になり、社会保障費は大きく膨らむ。当面の新型コロナウイルス対応と持続可能な財政の実現という両にらみの改革が欠かせない。

議長の菅義偉首相は「財政健全化の旗を下ろさず、改革努力を進めていく」と述べた。

政府は6月にもまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)で22年度以降の社会保障費の伸びに関する目標を示す。3年ごとに定めており、19~21年度予算は「高齢化の相当分におさめる」のが目標だった。薬価の引き下げなどにより、伸びは年5000億円以内にとどめてきた。

22年度からは高齢化による社会保障費の伸びが直近3年間よりも大きくなる見通しだ。22年の75歳以上の人口は前年から4.1%増える。増加率は21年(0.5%)から一気に高まる。一方で支え手の現役世代は減る。

医療費は高齢になるほど高くなる。75歳以上の1人あたり医療費は約92万円で、45~64歳の3.2倍だ。薬価引き下げを中心にした既存の抑制策だけでは歳出の膨張に歯止めをかけられない。

諮問会議の民間議員は「現役世代の負担の軽減につながる改革に引き続き着実に取り組む」という基本的な考え方を示した。具体案として保険を適用する医薬品の縮小、無駄な受診を減らすために処方箋を繰り返し使う仕組み(リフィル処方箋)の導入などをあげた。

コロナ禍で医療向けの歳出の拡大を容認する世論が高まっている。重症の感染者がすぐに入院できないといった問題が起き、病床の確保が課題になっているためだ。

現実には1都3県の20年の一般病床の使用率は前年を下回った。日本は人口比でみた病院や病床の数が世界的にも多い。医師や看護師があちこちに散らばり、人手の要るコロナ対応に全体として及び腰になっている。

民間議員は「医療資源の配分に問題がある」とみる。医療従事者が必要な病院に柔軟に集まれるようにする体制の構築が重要と指摘する。

諮問会議では少子化問題も議論した。20年の出生数は外国人を含め87万2600人と前年比2.9%減り、統計開始以来、最少となった。コロナ禍で21年はさらに減る可能性が高い。希望する人が安心して子どもを産める環境を作るには非正規労働者への支援を増やすなど高齢者に偏りがちな社会保障予算の構造を変えていく必要がある。

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