リニアの有識者会議、次回会合で中間報告 座長が認識

国土交通省は26日、JR東海によるリニア中央新幹線の静岡工区のトンネル掘削工事の影響を議論する有識者会議を開いた。座長の福岡捷二・中央大研究開発機構教授は次の会合時に中間報告をまとめる考えを示した。
国交省は26日に同報告の修正案を示し、不測の事態が起これば工事を一時中断して河川や地下水への影響を確認するなど、JR東海が監視を徹底すると盛り込んだ。静岡県内を流れる大井川の水が工事で突発的に流出するといったリスクへの対応策を示した。
静岡県など地元が懸念する大井川の水量減少に関しては、工事で発生した湧水の全量を川に戻すことで「中下流域の河川流量は維持される」と前回案の表現を残した。
トンネル工事の影響を巡っては静岡県とJR東海の対立が続き、静岡県内の本体工事は始まっていない。有識者会議は国交省が両者の仲介役となって2020年4月に設置した。