首相「従業員の所得向上策を」 新しい資本主義で
衆院予算委員会で論戦

岸田文雄首相は25日の衆院予算委員会で、政権の看板政策である「新しい資本主義」を巡って答弁した。株主利益の最大化を重視する経済政策に関して「株主資本主義からの転換は重要な考え方の一つだ」と述べた。
「民間や市場、競争に任せるのではなく政治、政府の立場からも様々な環境整備をしていかなければならない」と語った。「従業員の所得の向上に効果がある政策を用意しなければいけない」と話し、賃上げ税制や公的価格の引き上げを例示した。
首相は政府の財政試算の成長シナリオに関して「近年のままの経済政策を進めて実現するのは難しい」と言及した。「より数字を上げていくためにどうしたらいいかを考えたい」と説いた。国民民主党の前原誠司代表代行の質問に答えた。
首相は21日のバイデン米大統領とのオンライン協議で「格差や分断、民主主義の基盤である中間層の毀損、気候変動などの課題に取り組んでいくことで共感を得た」と明かした。日本維新の会の青柳仁士氏は「新しい資本主義の中身が分からないのにバイデン氏が何を支持したのか疑問だ」と質問した。