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停止期間外し原発運転延長 政府・与党、上限撤廃見送り

(更新)

政府・与党は現行法で最長60年と定める原子力発電所の運転期間を延長する。東日本大震災後に原子力規制委員会による審査で停止していた期間などを運転期間から除外し、実質的に60年を超えて運転できるようにする方針だ。最長60年という運転期間の上限の撤廃案も検討したが、慎重意見が強く、当面は見送る。

自民党の総合エネルギー戦略調査会(額賀福志郎会長)が25日に「審査対応などにより稼働が停止していた期間」を運転期間から事実上外すとの趣旨の提言をまとめた。

経済産業省は28日に開く総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の原子力小委員会で方針を示す。年内に政府が制度案をとりまとめ、2023年の通常国会で関連法案の提出をめざす。

原則40年で、1回に限り延長して60年まで運転が可能とのルールは震災後に原子炉等規制法で定めた。新制度では運転期間の規定は電気事業法など経産省が所管する法律に移す。原則40年、最長60年との骨格は維持する。そのうえで経産省が電力の安定供給や脱炭素などの観点から延長を認定する仕組みにする。

具体的には震災後の新たな安全規制の導入や行政・裁判所の命令――といった電力会社では予想できなかった理由で止まっていた期間を除外し実質的に60年超に延ばす。

震災後、再稼働には原子力規制委員会の安全審査の合格が必要になり、審査や安全対策工事が続く原発の中には10年にわたって停止しているものもある。新しい制度では10年停止していた原発なら70年まで運転できる。

実際に運転が可能かは、これまで通り規制委が審査して決める。運転開始から30年時点の原発の安全性を審査し、その後は10年ずつ審査を繰り返す規制を導入する。

経産省は上限を撤廃する案も検討していたが、当面は見送る。運転期間の規制は東京電力福島第1原発事故を受けて導入されたもので、撤廃に反対意見は強い。原発の立地自治体からも安全性を懸念する声が出ていた。

震災後に変更した原発の規制と推進の仕組みが変わることになる。新制度の導入後も必要に応じてルールを見直していく。その際に改めて上限撤廃案も検討課題にするもようだ。経産省が8日に開いた有識者らの審議会では「運転期間は科学的に決められるべきだ」などとして上限撤廃を求める意見が相次いでいる。

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