後藤茂之氏、経財相に就任 山際大志郎氏の後任

岸田文雄首相は25日、事実上更迭した山際大志郎経済財政・再生相の後任に自民党の後藤茂之前厚生労働相を起用した。後藤氏は皇居での認証式を経て正式に就任した。政府が月内にまとめる総合経済対策や新型コロナウイルス対策を担う。
首相は首相官邸で後藤氏と会談し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と接点を持たないことを条件に入閣を要請した。接点が確認された場合は説明責任を尽くし、関係を断つよう求めた。
会談後、記者団に「政治経験の豊富さと説明能力の高さ、経済社会の変革に向けた情熱を重視し即戦力としてお願いした」と説明した。無派閥の後藤氏を選び各派との距離を変えないよう配慮したとの見方もある。
後藤氏は記者団に経済対策や新型コロナ対応などに「全速力で取り組んでいきたい」と話した。教団問題を巡っては「関係を断つ内閣の方針を順守する」と語った。

後藤氏は大蔵省(現財務省)出身で首相が政調会長の時に政調会長代理を務めた。2021年の党総裁選では首相陣営の事務総長代理だった。岸田政権発足時に厚労相として入閣し、22年8月まで務めた。
首相は25日の衆院本会議で「国会開会中に閣僚が辞任する事態となり深くおわびする」と陳謝した。教団問題への対応や、11月に見込む22年度補正予算案の国会審議を「最優先した」と強調した。
「任命責任を重く受け止める。政策に遅滞が生じないよう政府一丸で国政を運営し職責を果たす」と述べた。
山際氏は教団との過去の接点に関し、予算委員会などで野党の追及を受けた末に24日に辞任した。教団関係者と写った写真などが出てくるたびに「記録がない」「記憶が定かでない」といった答弁を重ねていた。