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中国軍、AI活用進む 人材育成は途上

防衛研が報告書公表

防衛省防衛研究所は26日、中国の最近の軍事戦略を調査した報告書「中国安全保障レポート2022」を公表した。人工知能(AI)や無人機を活用し、軍の「智能化」を急ぐ中国の現状を分析した。人材育成が追いついていない点などの課題を指摘した。

中国人民解放軍で「智能化」に向けた新たな作戦構想の研究が進んでいると記述した。「智能化」とは情報化の次の段階と位置づけられ、AIやビッグデータ、クラウドコンピューティングなど先端技術の軍事分野への応用を指す。

習近平(シー・ジンピン)国家主席が「軍事智能の発展を加速する」と号令をかけたのに伴い、軍が新たな構想を検討していると記載した。人と機械が一緒に軍を指揮統制する戦争に対応するため、組織改革を進めているとされる。

検討が進む組織改革として宇宙軍、ネットワーク軍、電子軍などの創設を挙げた。陸海空の従来領域と宇宙など新領域を一体化し、統合作戦を立てる新たな部隊をつくり、伝統的な軍隊構造を放棄する必要性も提起されているという。

習近平体制では建国以来最大規模の軍改革を進めてきたと記載した。中国軍は陸海空の指揮統制システムを相互に連接し、政府組織や民間部門とのシステムの融合も図っていると記した。

高度な科学技術を扱う人材の育成を課題に挙げた。国家と民間の間で人材の争奪戦に陥りかねないと指摘した。技術の水準も「智能化」の構想を満たすレベルにはないと評価した。

日本の安保政策を立案するうえで、こうした中国軍の作戦能力を「可能な限り正確に見積もっておくことがますます重要になる」と警鐘を鳴らした。

中国の軍改革が台湾有事を引き起こす可能性について、報告書を作成した杉浦康之主任研究官は「台湾侵攻作戦は難度が高い。合理的に考えるとまだ可能性は低い」と話す。

一方で「台湾の能力や米軍の関与を過小評価し、やれると間違った分析をするリスクはある」とみる。

「中国安全保障レポート」は中国の軍事動向について2011年以降、毎年発行している。今回が12冊目となる。防衛省のシンクタンクである防衛研所属の中国研究者がテーマを決めて分析してきた。

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