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最低賃金31円上げ961円 全国平均、物価高で上げ幅最大

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中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は1日、2022年度の最低賃金の目安を全国平均で時給961円にすると決めた。前年度比の上げ幅は31円と過去最大で、伸び率は3.3%になった。足元で進む物価上昇などを反映し大きな伸び率となる。企業は賃上げに必要な利益をあげるために、生産性の向上を迫られる。

現在の全国平均は930円。今後、各都道府県の審議会が目安額を基に実額を決める。改定額は10月ごろに適用される。

引き上げの目安は各地域の経済状況に応じ、都道府県ごとにA~Dの4つに分類して示している。東京都や大阪府など6都府県にあたるAの地域は31円。京都府や広島県など11府県のBは31円、北海道など14道県のCは30円、福島県や沖縄県など16県のDは30円となった。

最低賃金は企業が支払うべき賃金の最低水準を示し、下回ると罰則もある。目安額を決める審議会は労使代表と公益代表としての学者らで構成する。政府は「できる限り早期に全国加重平均1000円以上」の目標を掲げている。

小委員会は7月25日、最低賃金の引き上げ幅について協議した。物価高を受けて大幅な引き上げを求める労働側と、エネルギーなどのコスト増を受けて引き上げ幅を抑えたい経営側の意見が合わず、調整が延期される異例の展開となっていた。

最低賃金は近年、新型コロナウイルスの影響があった20年度を除くと、3%を超える引き上げが続いている。21年は改定後に最低賃金を下回る労働者の割合(影響率)が16.2%と、12年比で約11ポイント上がった。非正規労働者を中心に、引き上げの影響は大きい。

為替相場が円安で推移していることもあり、日本の最低賃金は他の先進国と比べると見劣りする。ドイツは22年7月に10.45ユーロ(約1400円)へと従来比6.4%上げ、10月にはさらに12ユーロへと14.8%上げる。物価水準などをもとに決めるフランスでも22年5月から10.85ユーロと、直前の10.57ユーロから2.6%引き上げられた。

燃料価格の上昇に伴い、企業は収益を圧迫されている。物価高に対応する賃上げを進めるには、デジタル技術の活用などで製品やサービスの付加価値を高め、生産性を改善して収益力を高める必要がある。

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