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防衛費増額「財源裏付けを」 財制審が建議

財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は25日、政府の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)への反映を目指す建議をまとめた。岸田文雄首相が増額を表明した防衛費を巡り、継続的に効果を発揮するための安定財源が不可欠とした。国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)は2025年度の黒字化目標の堅持を求めた。

首相は23日の日米首脳会談で、国内総生産(GDP)比1%程度にとどめてきた防衛費について「相当な増額を確保する」と表明した。自民党は5年以内のGDP比2%以上への引き上げを提言し、安倍晋三元首相も6兆円台後半が必要との認識を示している。

スウェーデンは国防費の対GDP比2%以上への引き上げに向けて、たばこ税と酒税の増税などで財源を賄う方針を示している。ウクライナ危機を受けて2%への引き上げを決めたドイツは1000億ユーロ(13.6兆円)の特別基金を新規借り入れで設立する一方で、償還方法も法律で定めると表明している。

財制審はこうした動向を挙げて、防衛力強化には「税収配分や国民負担のあり方など、実現方法を正面から議論することが必要だ」と強調した。「暫定的な手段によって裏付けなく(財源を)賄い続ければ、結果として防衛力を損ねる」とも記した。

さらに有事の戦略物資の需要増に備えた外貨確保の必要性や、制裁による日系企業の資金繰り悪化などの恐れも指摘。「防衛力強化のみならず、有事に十分に耐えられる経済・金融・財政とするためのマクロ経済運営」が欠かせないとした。

防衛装備では、ミサイル防衛を主任務とする「イージス・システム搭載艦」の乗組員確保などの運用面の課題や、各国がサイバー技術を軍事活用し、コスト環境が変化したことも踏まえた検証が必要と言及した。研究開発では民生技術への転用などを視野に入れた投資を求めた。

政府が1月に確認した25年度のPB黒字化については堅持を要請。足元での貿易赤字を踏まえて「目標を後退させれば円の信認を失うリスクが大きい」と警鐘を鳴らした。

日本経済の需要と潜在的な供給力の差を示す「需給ギャップ」を財政出動で穴埋めする議論などを念頭に、規模ありきの予算編成では「成長力は高まらない」とも指摘。個別の政策経費について成果目標と結果検証を定量的にはかる必要性も唱えた。

財制審の榊原定征会長は記者会見で「防衛も財政的な基盤がなければ何もできない。そのために歳出改革、歳入改革、経済成長を同時に進めることが必要だ」と語った。

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