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世帯平均人数2.27人、東京は「2割れ」 独居・高齢化で

(更新)

総務省が25日発表した2020年国勢調査の速報集計では、1世帯当たりの人数の減少が全国で進む姿も浮き彫りになった。全国平均は2.27人と5年前の前回調査から0.11人減り、東京は1.95人と全国最低で初の「2割れ」に突入した。単身世帯の増加が示す問題のひとつが家族のケアが届かない一人暮らしの高齢者の増加だ。社会としてどう支えるかという重い課題を突きつけている。

東京の次に1世帯の平均人数が少なかったのは北海道(2.12)で、大阪(2.14)、京都(2.17)、鹿児島と神奈川(いずれも2.19)が続く。都市部だけでなく、過疎地を抱える地方など全国で単身世帯が増えている。

一人暮らしの高齢者は介護や医療が必要でも家族のケアを期待するのが難しいケースが多い。これまで日本は家族による高齢者のケアが社会保障費の増大をある程度抑えてきた面が強いと指摘されてきたが、単身世帯の増加で介護や医療体制の見直しを迫られ、社会保障費にさらに膨張圧力がかかる可能性もある。

人口減少の加速が目立った地方では、医療や介護の提供を維持できるかもままならない。25日発表の21年の国土交通白書は、人口減で50年に全市町村の66%の829自治体で病院の存続が困難になる可能性があると試算した。20人以上の入院患者に対応した病院を維持できる人口規模は1万7500人で、これを下回れば存続確率が50%以下になるとみる。

国立社会保障・人口問題研究所は17年にまとめた人口の将来推計で、出生数が中位シナリオの場合、65歳以上の高齢者の人口は65年に38.4%と15年比で10ポイント超上昇すると指摘した。15~64歳の生産年齢人口は細り、高齢者一人を1.3人の働き手で支える時代となる。

社会保障は年齢で支える側と支えられる側を線引きする。人口構造がひずむ中で現役世代の負担の上昇を抑えるには、健康寿命をのばし、金融資産を多く持つ高齢者により多く負担してもらう仕組みを導入するなどの改革が急務になる。

行政が率先して地域ケアの仕組み構築を」
高野龍昭・東洋大准教授
介護保険制度の財政は危機的な状況にあるが、新型コロナウイルス禍で多くの人の経済状況は厳しく、増税という国民負担を通じた制度の拡充は現実的ではない。独居高齢者には近隣住民同士での助け合いやボランティアによる見守りができる仕組みづくりが必要になる。行政はボランティアの人員を集めたり未経験者にケアの仕方を教育したりするバックアップを担うべきだ。
要介護度が軽い段階で早期に対応する重症化予防が特に重要だ。デンマークなど北欧諸国では要介護度が軽い高齢者の状況改善を優先するよう国が指示し、自治体が介護予防に取り組む。IT(情報技術)の活用も有効な一手だ。スマートフォンなどの通信機器を高齢者に貸せば見守り機能の向上にもつながる。
介護サポートの対象者にメリハリを付ける制度変更も不可欠だ。日本の介護保険制度は他の先進国に比べて軽度の被介護者までが対象に含まれ、社会保障費の負担が大きい。軽度のケースについては地域住民のつながりを増やして支援し、残る財源や担い手を重度者向けに集中させる必要がある。
一部の民間企業ではカラオケやトレーニングジムを昼間に高齢者向けに安価な価格帯で提供する動きが出ている。高齢者が集まりやすい場を作れば、要介護一歩手前のフレイル(虚弱)予防に役立つ。行政が費用を負担するのも一つの手だろう。

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