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[社説]インボイスの環境整備急げ

消費税の税率や税額を請求書に正確に記載・保存するために2023年10月に導入するインボイス制度について、政府・与党が小規模事業者向けに負担軽減措置を設ける調整に入った。漫画家や声優などフリーランスを中心に反発が広がっているためだ。

インボイスは正確な納税に必要な仕組みで、軽減税率の導入が決まった15年当時から採用の方針が示されていた。円滑な実施に向けた対策や準備がなぜ十分に進んでいなかったのか。政府はしっかり検証した上で全面導入への環境整備を急いでほしい。

消費税は消費者が負担した税額を、製造・卸売り・小売りなどの各事業者が分担して納める多段階課税方式になっている。インボイスは事業者間の取引が行われる際に双方で税率や税額の認識を一致させるものだ。消費者が支払った税金が事業者の手元に残る益税をなくす効果も期待される。

23年10月以降はインボイスがないと買い手は仕入れ時にかかる消費税の控除を原則受けられなくなる。消費税納税を免除されている売上高1千万円以下の免税事業者は、インボイスを発行する課税事業者にならないと買い手から取引を打ち切られる可能性がある。

一方で課税事業者になると事務負担が重くなるうえ、販売価格に消費税分を転嫁できずに利益が減る懸念があった。

このため政府・与党は、課税事業者になる小規模事業者の納税額を、売上時に受け取る消費税の2割に抑える3年間の時限措置などを検討している。

インボイスの問題点はかねて指摘されており、対策や準備が不足していたと言わざるを得ない。政府は立場の弱い事業者が消費税分を転嫁できるようにする政策をもっと強力に進めてほしい。

海外では新型コロナウイルス禍などを機に税務行政のデジタル化が進んだ。日本もデジタル化が進んでいればインボイスの事務負担は軽減されていたはずであり、その遅れも猛省すべきだろう。

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