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経団連会長「賃上げは企業の責務」 春季労使交渉が開始

経団連は25日、賃金交渉の方針や働き方について講演する「労使フォーラム」を開いた。2022年の春季労使交渉が事実上スタートした。経団連は一律の賃上げ要請は見送り、好業績企業に限って積極的な対応を促す。新型コロナウイルスの感染再拡大や物価上昇など企業の経営環境には先行き不透明感も出ており、賃上げがどこまで広がるかが焦点となる。

十倉雅和会長(住友化学会長)は開会のあいさつで「企業の責務として賃金引き上げと総合的な処遇改善に取り組むことが非常に重要だ」と述べた。産業別・個別の労使交渉の後、例年通り3月中旬に集中回答日を迎える。

「成長と分配の好循環」を掲げる岸田文雄首相は21年秋、好業績企業に対して「3%を超える賃上げを期待」すると表明した。連合はベースアップ(ベア)と定期昇給分を合わせて一律「4%程度」を目標に掲げる。

だが新型コロナ禍で打撃を受けたサービスや運輸業を中心に、賃上げに慎重な企業は少なくない。日本経済新聞が21年12月に実施した社長100人アンケートでは「3%以上の賃上げをする」と回答した企業は18%にとどまる。2%台が最多の42.7%、1%台が26.2%で、「賃上げは見送る」も9.8%あった。

経団連が先にまとめた春季労使交渉の指針「経営労働政策特別委員会報告」は好業績企業について「新しい資本主義の起動にふさわしい賃上げが望まれる」と明記したが、新型コロナ禍による業績格差に配慮して具体的な数値目標は設けなかった。

足元では資源高や供給制約を背景に生活必需品の値上げが相次ぐ。日本経済研究センターがまとめた民間エコノミストの予測平均(ESPフォーキャスト)によると、22年度の消費者物価の上昇率は0.8%を見込む。携帯通信料値下げの影響が薄まる4月以降は上昇率が2%に迫るとの見方もある。賃上げ率が物価上昇率を下回れば消費者の購買行動が弱り、経済全体に負の循環が生じる懸念もある。

経団連は今回の春季交渉を通じ、日本型雇用システムの見直しを加速させたい考えだ。働き手の職務内容をあらかじめ明確に規定するジョブ型雇用について、経労委報告は「導入・活用の検討が必要」と明記した。女性活躍や学び直しの拡大などを含む総合的な処遇改善も論点となる。

経団連によると、大手企業の21年の賃上げ率は1.84%で、8年ぶりに2%を割り込んだ。直近で最も高い18年でも2.53%だった。

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