こども家庭庁、23年4月発足へ 他省庁に勧告権
政府が閣議決定へ
政府は25日、子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」を創設する法案を閣議決定する。内閣府の外局として2023年4月に発足させ、300人規模の体制をつくる。専任閣僚を置き他省庁への「勧告権」を付与する。今国会の成立を目指す。
子育てをしやすい環境づくりを政府を挙げて取り組む態勢をつくるのが狙い。「こども家庭庁」を首相直属の機関と位置づけ、専任閣僚とこども庁長官をおく。
内閣府の子ども・子育て本部と厚生労働省の子ども家庭局を移管する。少子化対策では児童手当、認定こども園、保育を担う。虐待防止や子どもの貧困対策、母子保健、ひとり親家庭支援などの業務も扱う。
文部科学省からの移管は一部にとどまり、幼児教育はそのまま同省に残す。幼稚園と保育所の制度を統合する「幼保一元化」は見送る。
新たな政策にも取り組む。子どもに関わる仕事に就く人に性犯罪歴がないかを確認する「日本版DBS」制度を検討する。英国では子どもに関わる職に就く際、性犯罪歴がないことを証明する書類を提出する必要がある。
20年の出生数は84万人で統計開始以降で最少となった。中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合「子どもの貧困率」は18年が13.5%だった。ひとり親世帯だと5割近くに上る。