21年度実質賃金0.5%増 5年ぶりプラス、コロナ前届かず
厚生労働省が24日発表した2021年度の毎月勤労統計(確報、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年度に比べて0.5%増えた。プラスは5年ぶり。残業代など所定外給与が上向いた。全体として戻りは鈍く、新型コロナウイルス禍前の水準には届かなかった。
21年度の実質賃金指数(20年=100)は100.6と、コロナの影響が限定的な19年度の101.2を下回った。総実労働時間指数は10年ぶりの上昇で100.6となった。19年度の102.7よりは低いままだ。
名目賃金にあたる従業員1人当たりの現金給与総額は0.7%増の32万604円だった。基本給など所定内給与は0.4%増の24万6245円、所定外給与が7.1%増の1万8226円、ボーナスなど特別に支払われた給与は横ばいの5万6133円だった。
月間の総実労働時間は1.0%増の136.0時間。所定外労働時間が8.2%増と大きく回復した。労働時間を就業形態別にみると、正社員など一般労働者は1.4%増の162.0時間。パートタイム労働者は0.4%増の78.8時間だった。