消費者物価3.1%上昇、2月 電気代抑制で13カ月ぶり鈍化

総務省が24日発表した2月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が103.6となり、前年同月比で3.1%上昇した。政府による電気・ガス料金の抑制効果で、伸び率は1年1カ月ぶりに鈍った。
前年同月比での上昇は18カ月連続となった。食料品を中心に生活必需品の値上がりが続き、物価上昇率は日銀の目標である2%を上回る。
上昇率はQUICKが事前にまとめた市場予想の中央値(3.1%)と同じだった。生鮮食品を含む総合指数は前年同月比3.3%上昇した。
政府による電気・ガス料金の抑制策が影響しない生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は3.5%の上昇と、1月(3.2%上昇)から伸びが加速した。消費税導入時の伸び率を上回り、82年1月以来41年1カ月ぶりの上昇率となった。
品目別でみると、電気代などの「エネルギー」は前年同月に比べて0.7%低下した。1月は14.6%の上昇で、2月は下落に転じた。都市ガス代は16.6%の上昇(1月は35.2%の上昇)で伸び率が縮まった。電気代は5.5%の低下で、1月は20.2%の上昇だった。
宿泊料は全国旅行支援の割引の効果があり、6.1%のマイナスだった。総務省の試算によると、電気・ガス料金の抑制策と合わせた政策効果が生鮮食品を除く総合の前年同月比伸び率を1.2ポイント押し下げた。単純計算すると、政策効果がなければ前年同月比4.3%の上昇だったことになる。
生鮮を除く食料は7.8%の上昇で、1月(7.4%上昇)から上昇率が拡大した。食用油が27.6%、炭酸飲料が17.1%、弁当や冷凍食品といった調理食品は8.3%のそれぞれ上昇となった。
家庭用耐久財は11.2%上がった。原材料や輸送価格の高騰で電気冷蔵庫などが値上がりしている。
全品目をモノとサービスに分けたうちのサービスは1.3%上昇し、消費増税の時期を除くと98年4月(1.3%の上昇)以来、24年10カ月ぶりの伸びとなった。外食が6.4%の上昇と高い伸びだった。
食料品などで値上げの動きがあり、当面は一定の物価上昇が続くとみられる。農林中金総合研究所の南武志氏は「これまでできていなかった価格転嫁が進み、23年度初頭までは3%程度の上昇率が続く。年度末にかけて低下し再び2%を割る」とみる。
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