欧米で確認の「サル痘」、疑いあれば情報提供を 厚労省

厚生労働省は23日までに、天然痘に似た症状を伴う「サル痘」が疑われる患者について同省に情報提供するよう自治体や医療機関に求めた。欧米など、これまで主に見つかっていたアフリカ以外の地域で報告が相次いでいるため、国内でも警戒を強める。
サル痘は「サル痘ウイルス」の感染により起きる急性疾患。国立感染症研究所によると集計を始めた2003年以降、日本での報告はない。発熱や発疹が主な症状で、数週間で自然に回復することが多い。動物から人に感染するほか、まれに人から人への感染もあるという。
これまでは主に中央アフリカや西アフリカで発生していた。22年5月に入り、アフリカ以外で渡航歴のない患者の報告が相次いでいる。世界保健機関(WHO)によると21日までに北米や欧州、オーストラリアの12カ国で92人の感染と、28人の疑い患者が見つかった。
サル痘は国内では感染症法上の「4類感染症」に分類されており、医師は診断したらすぐに届け出る義務がある。確定診断ができるのは国内では感染研だけという。厚労省は自治体などに対し、疑いのある患者から採取した検体の搬送などの協力も求める。