電力逼迫警報を解除、東電管内 太陽光上積みで確保

経済産業省は23日午前、東京電力管内に出していた「電力需給逼迫警報」を午前11時に解除した。電力不足を防ぐため21日夜に初めて発令し、節電を求めていた。天気が回復した23日は太陽光による発電の上乗せなどで需給が改善している。
茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、静岡(東部)の1都8県に出していた警報を解除した。東北電力管内は22日夜にすでに解除している。
東京電力によると供給可能量に対する需要量は23日午前9時台に4342万キロワットだったのに対し、供給力は4633万キロワットだった。使用率は93%。100%超となり非常電源を起動した22日よりは緩和している。
23日は太陽光発電の出力が前日より増えることが見込まれるうえ、暖房需要も減る見通し。経産省は同日の太陽光発電量がすでに1000万キロワットを超えたとして、供給可能量のうち余剰分を指す「予備率」は3%を確保できるとみる。24日以降は気温上昇でさらに需給が緩むと見込む。
イオンは東電管内で傘下のイオンリテールが運営する総合スーパー(GMS)約140店で、店内の空調温度を通常より低い20度に設定して営業する。日産自動車は昨日に続き首都圏の工場で自家発電を稼働し、東電からの受電を減らす。
一方、22日の供給不足を補った「揚水発電所」の発電容量は4割程度とみられる。非常時にためた水を流して発電するが、22日の大量放水が影響し、100%近くあった昨日朝時点よりも発電余力が少ない。
東電によると3月は気温が1度低下すると、電力需要が100万キロワット上昇する。福島県沖で起きた地震の影響で一部の火力発電所が停止し、復旧には最大で数カ月かかる見込みだ。電力需給は綱渡りの状況が続く。
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