「核のごみ」処分へ具体策検討 政府、5年ぶり閣僚会議

政府は23日午前、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分について議論する関係閣僚会議を5年ぶりに開いた。出席する閣僚を増やし、最終処分場の誘致につながる調査の受け入れ自治体の増加に向け、具体策を検討する。現在は北海道の2町村のみで、約2年にわたり手をあげる自治体が出ていない。
松野博一官房長官は会議で「将来世代に負担を先送りしないよう、われわれの世代で解決に向けた対策を確実に進める」と述べた。関係府省で具体策を検討し、西村康稔経済産業相にとりまとめを要請した。
政府が22日にまとめたGX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針は原子力の最大限の活用を打ち出した。最終処分を巡っては「国主導で自治体への働きかけを抜本強化する」と盛り込んだ。
日本で最終処分場は決まっていない。原子力発電環境整備機構(NUMO)が2020年11月から北海道の寿都町と神恵内村で処分場選定の第1段階にあたる文献調査を実施している。資料をもとに地下資源や活断層の有無を調べる。2町村のほかに、調査を受け入れる自治体は出ていない。
経産省によると、第2段階の概要調査、第3段階の精密調査まで含めると調査期間は20年に及ぶ。次の段階に進む際は地元の意見を聞く。意見に反して先に進めることはないという。
関連企業・業界
業界: