消費者物価、8月は横ばい 13カ月ぶり下げ止まり
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総務省が24日発表した8月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)によると、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数は99.8と前年同月に比べて横ばいだった。前月まで12カ月連続でマイナスだったが、下げ止まった。携帯電話の通信料が下がったが、前年の観光需要喚起策「Go To トラベル」の反動で宿泊料が上昇した。
特殊な政策要因を除いた物価の上昇基調は弱く、デフレからの本格脱却は見通せない。
品目別にみると宿泊料は46.6%上がった。20年7月下旬にGo To トラベルが始まり、同8月以降、本格的に利用された。現在は一時停止しているため消費者の負担が増え、21年8月は反動で上昇した。巣ごもり需要によりルームエアコンも10.6%上がった。
エネルギー全体では5.5%上昇した。灯油は20.0%、ガソリンは16.9%上がった。電気代は0.9%上昇し、1年11カ月ぶりにプラスとなった。
携帯大手の格安プラン販売などにより、携帯電話の通信料は44.8%低下した。天候不良で20年は供給が不足し価格が上がっていた生鮮野菜も、その反動で21年8月は18.0%下がった。
総務省は7月発表分の指数から算出基準を5年ぶりに改定した。5月、6月分の速報値ではプラスと公表したが、新たな基準を遡って適用した結果、7月まで12カ月連続マイナスとなっていた。
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