/

経団連、脱炭素へ400兆円投資を提言 グリーン債発行も

経団連は26日、2050年の脱炭素社会の実現に向けた政府への提言を発表した。50年までに計400兆円規模の投資が必要だと推計し、財源としてグリーン国債(環境債)の発行を提起した。小型モジュール炉(SMR)など次世代原子力発電所の開発・建設も求めた。気候変動問題に対応するため経済社会の構造転換を促す。

経団連が脱炭素で包括的な政策提言をするのは初めて。十倉雅和会長は26日の記者会見で「官民の投資を最大限に引き出し、産業の国際競争力を維持すべく国家のグランドデザインとなる政策パッケージを早急に示すべきだ」と訴えた。

環境を重視して社会構造を変革するグリーントランスフォーメーション(GX)を成長戦略の柱に位置づけた。政府が6月にもまとめるクリーンエネルギー戦略への反映をめざす。

エネルギー政策では二酸化炭素(CO2)排出量を減らす電源として「再生可能エネルギーの主力電源化」を急ぐよう要請した。再生エネの導入拡大を支えるため、送電網の整備の必要性などに触れた。

原発の着実な再稼働や建て替え、軽水炉の新増設を念頭に「安全性の確保を大前提に、積極的に活用していく方針を明確化すべきだ」とした。既存の原発を現行ルールで最長の60年間運転しても、50年には20基程度にとどまることを見すえ、運転期間の延長を要望した。

脱炭素の実現には官民で巨額の投資が欠かせない。経団連の試算では、50年までに年平均で約14兆円が必要となる。欧米の政府支出と同水準にするには、日本政府も年約2兆円の財政支出が求められる。

財源として環境分野に使途をしぼった「グリーン国債」の発行を提案した。海外ではドイツなど欧州を中心に環境債を発行しているが、日本は発行に慎重だ。世界的に環境分野の投資に注目が集まるなか、政府が主導してマネーを呼び込む姿をえがく。

規制導入にも踏み込んだ。CO2排出に価格をつけるカーボンプライシングについて「適切なタイミングで導入することができればカーボンニュートラル(脱炭素)を実現する手段となりうる」と言及。政府が課した上限内で排出量を取引する「キャップ・アンド・トレード」を有力な選択肢とした。

脱炭素社会へ移行するには、電力コストの上昇や成長産業への労働移動など国民負担が生じることが予想される。政府に支援を求めるだけでなく、産業界も国民の理解醸成に向けて汗をかく姿勢が不可欠となる。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

カーボンゼロ

温暖化ガス排出を実質ゼロにするカーボンゼロ。EVや再生可能エネルギー、蓄電池、各国政策などの最新ニュースのほか、連載企画やデータ解説を提供します。

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン