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ウクライナ邦人退避急ぐ 政府促す、大手商社は完了

政府はロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派地域の独立を承認する大統領令に署名して軍の派遣を決めたのを受け、在留邦人の国外退避に全力を注ぐ。在留邦人に向けたメールで22日に「ただちに安全な方法で退避してください」と呼びかけた。

「ロシアの一方的な決定で更に戦闘が激化するとともに、戦闘地域が拡大する可能性を排除できない」と指摘した。東部で武装勢力側からの攻撃回数が急増した点にも触れた。

外務省はウクライナ東部に滞在する在留邦人の数を明らかにしていないが、滞在者が存在する可能性がある。ウクライナ全体には19日時点で120人程度の在留邦人がおり、政府は近隣国でチャーター機を手配するなど退避に向けた対応を急ぐ。

政府はウクライナ西部リビウに事務所を設けて在留邦人に退避を求めてきた。岸田文雄首相は22日、在留邦人の退避を巡り「現地大使館が中心に呼びかけを続けている」と説明した。官邸で記者団に語った。

松野博一官房長官は同日午前の記者会見で「現時点までに邦人の生命、身体に被害が及んでいるとの情報には接していない」と明らかにした。在留邦人保護に向けて様々な準備を進めていると強調した。

政府はロシア軍への警戒を強める。岸信夫防衛相は「ロシアの軍事動向について情報収集、警戒監視を継続する」と説いた。

現地でビジネスを展開している日本企業も従業員の安全確保や情報収集にあたった。軍事活動が現実のものとなれば経済活動への影響は避けられず、進出企業はロシア軍の動きを注視している。

帝国データバンクによると2022年1月時点でウクライナに進出する日本企業は首都キエフを中心に57社ある。自動車などの製造業が28社で富士フイルムなどは現地に販売・サービス拠点を持つ。商社などの卸売業も16社ある。

大手商社では伊藤忠商事丸紅住友商事の現地駐在員がウクライナからの退避を終えた。

伊藤忠は日本車の販売、丸紅は化学品、農業資材、食料の輸出入などを手掛け、住友商事は農家向けに農薬、肥料、種子、農機などを販売している。いずれもリモートを通じてビジネスを続けている。

ウクライナ南部オデッサに事務所を構え、動画配信サービスなどを提供する楽天グループは「引き続き状況を注視しつつ現地従業員の安全を第一に考え、安否確認や事業継続のための適切なサポートを行う」との姿勢をとる。

日本たばこ産業(JT)はウクライナ中部にたばこ製造工場を持つ。ウクライナ国内向けの紙巻きたばこや、日本向けに葉巻きたばこ「キャメル」の一部製品をつくっている。

工場は稼働しており、在庫の積み増しなどにより、足元での影響は限られるとみられる。現地に日本人の駐在員はいないものの、2月上旬までにウクライナ国籍以外の駐在員は「一旦(国外)退避させている」(寺畠正道社長)という。

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