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「安倍氏と再び真剣勝負したかった」 野田氏が追悼演説

(更新)

立憲民主党の野田佳彦元首相は25日の安倍晋三元首相への追悼演説で「議場では『闘う政治家』だが、国会を離れひとたびかぶとを脱ぐと心優しい気遣いの人でもあった」と話した。およそ20分間の演説が終わると、与野党双方の議席から拍手があがった。

野田氏が「最も鮮烈な印象」があると挙げたのは2012年11月の党首討論だ。野田氏は首相として野党自民党の安倍総裁と対峙した。

議員定数の削減などを条件に衆院解散の期日を明言したことに触れ「あなたの少し驚いたような表情。その後の丁々発止。それら一瞬一瞬を忘れることができない」と振り返った。

「再びこの議場であなたと言葉と言葉、魂と魂をぶつけ合い、火花散るような真剣勝負を戦いたかった」と安倍氏の死を惜しんだ。

天皇の生前退位を実現するための環境整備を巡り、首相だった安倍氏と首相公邸でひそかに面会して語り合った秘話も明らかにした。

17年1月20日のこの会談で「政争の具にしてはならない。国論を二分することのないよう立法府の総意をつくるべきだ」と一致したという。

国会で各党が関与した形で協議し、皇室典範特例法をまとめる方向へ「大きく流れが変わる潮目だった」と指摘した。

安倍氏の人柄をうかがわせるものとして、12年12月の政権交代後、皇居で新たに首相に就く安倍氏の親任式に前首相として立ちあった際のエピソードを披露した。

「あの『ねじれ国会』でよく頑張り抜きましたね」「自分は5年で返り咲きました。あなたにもいずれそういう日がやってきますよ」

衆院選で負けた野田氏の隣に歩み寄ってきた安倍氏からのねぎらいの言葉をかけられた日を「忘れもしない」と語った。

野田氏は安倍氏がその後7年8カ月にわたる長期政権を担ったことを踏まえ「勝ちっ放しはないでしょう、安倍さん」と呼びかけた。

安倍氏が歴代最長の首相在任期間を務めたことについても「重圧と孤独に耐え、日本一のハードワークを誰よりも長く続けた。心からの敬意を表す」と語った。

06年からの第1次安倍政権の看板政策だった「再チャレンジ」にも言及した。首相に返り咲いたことを念頭に「その言葉を自ら実践した政治家としての真骨頂があった。『諦めない』ことを説得力をもって語れる政治家だった」と評した。

そのうえで「あなたがこの国に遺(のこ)したものは何だったのか。あなたが放った強烈な光も、その先に伸びた影も、同僚議員たちと問い続けたい」と話した。

野田氏は安倍氏への銃撃については「暴挙に激しい憤りを禁じ得ない」と強調した。

最後には「政治家の握るマイクには人々の暮らしや命がかかっている。暴力にひるまず、街頭に立つ勇気を持ち続けよう。民主主義の基である自由な言論を守り抜いていこう」と訴えた。

安倍氏への追悼演説を昭恵夫人は議場内で安倍氏の遺影を抱え、起立したまま聞いていた。野田氏が安倍氏を「心優しい気遣いの人だった」と触れた場面などでうなずくしぐさをみせた。

野田氏は演説後、国会内で昭恵夫人と面会し、演説原稿と白い花束を手渡した。「大変荷が重かったが一生懸命務めさせていただいた」と伝えた。

野田氏によると、昭恵夫人は目に涙を浮かべ「野田氏にお願いしてよかった。主人も喜んでいるでしょう。原稿をお仏壇に供えたい」とこたえた。

岸田文雄首相も自身のツイッターで「野田氏の心のこもった追悼演説に感謝する」と投稿した。

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2022年7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅近くの路上で発生した安倍晋三元首相銃撃事件。亡くなった安倍元首相の国葬が9月27日に日本武道館で行われました。首相経験者の国葬は1967年の吉田茂元首相以来、戦後2例目。最新ニュースや速報をまとめました。

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