脱脂粉乳、予定の入札を停止 国内在庫増で

野村哲郎農相は22日の衆院予算委員会で、国際的な約束に基づき輸入量を決めている乳製品について、脱脂粉乳の入札を2022年度中の残りの期間は実施しないと表明した。民間企業の在庫が積み上がっているためで、バターオイルやホエイ(牛乳などから脂肪などを除いた液体)などべつの乳製品に輸入枠を振り替える。
バターや脱脂粉乳などの乳製品は農林水産省が輸入量や価格水準を管理する「国家貿易」の下にある。22年度は最低水準の13万7000トンを輸入する予定だった。このうち脱脂粉乳は750トンで、23年1月までに321トンが落札された。
残りの429トンは入札をやめる。新型コロナウイルス禍で消費が減退しており、在庫が積みあがっている。脱脂粉乳の在庫量は22年12月末時点で8万2418トンで、適正水準とされる5万〜6万トンを上回っている。