高齢者らのコロナワクチン接種、5月にも開始 厚労省

厚生労働省は高齢者らの新型コロナウイルスワクチンの次回の無料接種を5月にも始める。年末年始の流行拡大に備えて9〜12月には幅広い年代で実施する。重症化予防を主な目的とし、ワクチンの有効性が徐々に下がることをふまえ、リスクの高い人は年内に2回打てるようにする。
22日に開いた厚生科学審議会(厚労相の諮問機関)の予防接種・ワクチン分科会が了承した。
高齢者や基礎疾患のある人、医療従事者や高齢者施設・障害者施設で働く人を対象に5〜8月に実施する。ワクチンの有効性は6カ月程度で減るとの報告がある。前回接種の開始は2022年秋だった。
オミクロン型対応ワクチンを用いることを基本とする。9〜12月に使うワクチンは流行状況や海外動向をふまえて判断する。
政府は5月8日に新型コロナを感染症法の5類に位置付ける。現在は2類以上に相当する「新型インフルエンザ等感染症」の扱いだ。ワクチンはこの位置付けとは別に予防接種法で3月末を期限に「特例臨時接種」と定めている。国が買い上げ、無料で接種できるようにしている。
特例臨時接種の位置づけは2023年度中は延長する。24年度からは定期接種などを念頭に自己負担を求める方向で引き続き検討する。
23年度以降の接種をめぐっては厚労省の専門部会が、海外の動向や研究データをふまえて遅くとも秋から冬にかけて進めるよう求める見解で一致していた。22日の会合で報告した。
ワクチンが重症化を抑える効果は接種してから半年〜1年程度、死亡を防ぐ有効性は10カ月以降も一定程度残るとのデータを確認している。現在のオミクロン型対応ワクチンの1回目接種から一定期間は予防効果が見込めるとみている。

新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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