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国産初のコロナ飲み薬、議論継続 塩野義製で厚労省部会

(更新)

厚生労働省の専門部会は22日、塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」(販売名)の承認判断について「さらに慎重に議論を重ねる必要がある」との見解を示した。有効性などについて委員の意見が分かれ、一定の結論が出なかったため。上部組織の薬事分科会との合同審議を7月にも開き、議論を続ける。

5月に創設した「緊急承認」制度を適用する初めての審議。安全性を十分確認し、効果を推定できるだけのデータが集まっているかどうかが焦点となった。

22日の部会では委員から「第7波や変異ウイルスに備えるため治療の選択肢をもつことが重要」とする意見や、臨床試験(治験)で示されたウイルス量の減少効果について肯定的な意見があった。

承認が認められれば国産の新型コロナ向け飲み薬第1号となるが、委員からは「臨床症状の改善は示されていない」「すでに承認されている薬に比べて新規性がない」などと慎重な意見も相次いだ。

同社が製造販売承認を申請したのは2月下旬で、審議までに4カ月かかった。これまでに実用化した米メルクや米ファイザーの飲み薬は、海外当局の判断を参考にする「特例承認」制度を使ったため3~4週間ほどだった。

申請当初は希少疾患などに用いる「条件付き早期承認」の適用を求めていた。審査中の5月、改正医薬品医療機器法(薬機法)が成立し緊急承認制度が実現したことを受け、塩野義は同制度での審査に切り替えるよう厚労省に求めた。

塩野義は2021年夏に治験を始めた。これまでのワクチン接種や患者の重症化リスクの有無にかかわらず軽症・中等症の患者を投与対象としている。

安全性については22年4月、同社が「妊婦への使用は推奨されない」との考えを示している。メルク製も妊婦には投与できない。他の薬との飲み合わせについては明らかになっていない。

効果をめぐっては、オミクロン型の感染に特徴的な呼吸器症状や発熱の改善を治験の中間解析で確認できたとしている。ただ事前に定めた基準は満たしておらず「症状の改善効果が示されていない」(厚労省幹部)といった承認に慎重な見方があった。

承認された場合には、厚労省に100万人分の薬を供給することで合意している。3月末までに生産済みで、22年度中には1000万人分を確保する考えだ。

現在は最終段階の治験を進めている。「7月までには結果を出したい」(手代木功社長)という。

塩野義は中間解析で、ウイルスを減らす効果に加え、せきや鼻づまり、発熱、吐き気や下痢など12の症状の改善を点数化して効果を調べていた。最終段階の治験では症状消失までの期間を評価する仕組みに変更した。この方法で有効性を示せるかも注目されている。

1月から国内で広がるオミクロン型は軽症の人が多く、発熱やせきなど風邪に似た症状が多い。より重症化しやすかったデルタ型などに比べて、治療薬による効果を示すのが難しくなったとの指摘もある。

厚労省が2月に特例承認したファイザーの経口薬も、持病があるなどの重症化リスクをもたない患者については症状軽減の有意な有効性が示せなかった。同社は6月、治験の募集を停止すると発表した。現在の投与対象は重症化リスクのある患者に限られる。

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