委員長指示なく検討着手 規制庁、経産省と原発延長巡り
原子力規制委員会の事務局の原子力規制庁は21日、原子力発電所の運転延長に必要な法改正や新たな規制制度について、山中伸介委員長が指示する前に水面下で経済産業省と検討を重ねていたことを明らかにした。
原子力政策の「規制と推進の分離」が徹底されていなかった可能性がある。山中氏は同日の記者会見で、規制庁に記録の確認と報告を指示した。
山中氏は指示前からの検討開始について「認識していない」と述べた。「最終的に議論して決定するのは規制委だ。規制庁が頭の体操をするのは問題ない」との認識を示した。
規制委は審査会合などの大半をオンラインで生中継して透明性を高め、公開の委員会での合議制で方針を決定している。山中氏は10月に原発の運転期間の延長に伴う安全規制の検討を始める際も、規制庁に対して経産省側と情報交換した場合は公開するよう指示していた。
2011年の原発事故前は原発の安全規制を、原発を推進する経産省の一部局だった旧原子力安全・保安院が担っていた。事故を防げなかった反省から、経産省から独立した機関として規制委を設置した経緯がある。
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